うつ病はストレスでがんじがらめになった状態です。
そうなる前に、あるいは二度とそうならないために、自分にあったリラクゼーション法を行って、ストレスの軽減に努めたいですね。
病院で行う治療以外にも、アロマテラピーや森林浴など、心身をリラックスさせて、うつ気分を改善する方法はたくさんあります。
ここで紹介する方法は、どれも手軽にでき、意外と効果も高いです。
ストレスの積み重ねで治療が必要なほどのうつ状態に陥らないために、日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
■ ア ロ マ テ ラ ピ ー
植物のもつ自然の香りには、さまざまな効用があります。
よく知られているのは、ラベンダーの鎮静作用やペパーミントの食欲増進作用。
日本でも、柚子や木の芽、菖蒲などの香りが日常的に使われていますが、ヨーロッパでは病気の治療に積極的に取り入れられています。
香りの楽しみ方は幅が広いです。
エッセンシャルオイル(精油)は、お湯やロウソクで熱したり、湯舟や足湯にたらして楽しむ、ベースオイルに混ぜてマッサージするなどします。
ハーブは、お茶にして飲む、ポプリ(匂い袋)にして枕元に置くなどします。
ハーブやエッセンシャルオイルはデパート、専門店、生花店などで扱っています。
【うつ状態に効果があるとされている香り】
● ラベンダー
緊張を緩和し、こころのバランスを整える
ストレス解消
● カモミール
リラックス効果があり、不安やイライラを鎮める
不眠や食欲不振にも有効
● ローズマリー
頭をスッキリさせ、やる気や集中力を高める
● レモンバーム
気分を軽くし、悲観的な気分を晴らす
● ネロリ(オレンジの花)
精神的緊張や不安の緩和
● ペパーミント
気分がスッキリし、食欲も増進する
● サンダルウッド
緊張や不安の緩和
● ベルガモット
うつ状態の改善
● イランイラン
心身の緊張を解き、うつ状態を改善する
■ フラワーヒーリング
花を見ると、多くの人は気持ちがなごみ、こころの底から幸福感を感じます。
それだけではなく、花には種類により特有の効果があることもわかってきました。
花を近くに置くだけで、うつ気分やストレスの解消になるのです。
● あんず
うつ気分の解消
● あじさい
緊張を解きほぐす
● かすみ草
不眠の解消
● クロッカス
心身をリフレッシュさせる
● ジャスミン
香りがストレスによる胃痛を緩和
● ストック
頭をスッキリさせる
● 菜の花
こころが落ち着き、明るくなる
● バ ラ
香りが心身の疲れを解消する
● ベゴニア
自律神経のバランスを改善
● ラベンダー
鎮静作用があり、心身の疲れを癒す
■ 森 林 浴
植物の葉や幹、花などからは、フィトンチッドという香り成分が放出されています。
フィトンチッドは自律神経に作用し、気持ちを安定させたり集中力を高める効果があります。
森林浴はもちろん、滝や湖などがある自然の中でゆったり過ごすことで、心身がリフレッシュされます。
■ 入 浴
もっとも手軽にできるリラックス法です。
40度くらいのぬるめのお湯に15~20分つかると、副交感神経が優位となり、緊張がほぐれます。
足湯もよいです。
ハーブやエッセンシャルオイルなどを入れるとさらに効果的です。
■ アニマルセラピー
「動物介在療法(どうぶつかいざいりょうほう)」といわれ、とくに欧米では治療法のひとつとして認められています。
高血圧の人が動物に触れるだけで血圧が安定することを報告する医学論文もあり、日本でも徐々に浸透しつつある療法です。
ペットとのふれあいには、飼い主の孤独感をやわらげる、緊張をほぐす、幸福感を感じさせるなどの効用があります。
犬や猫に限らず、鳥や魚などでも同じ効果があります。
■ 瞑 想
瞑想といっても、そんなに難しく考える必要はありません。
イライラや不安感などの雑念を取り除くために、短時間でも無心の状態になればいいのです。
無心になるには呼吸に意識を集中するといいです。
ゆっくり呼吸しながらその数を数えることで、気持ちを一点に集中することができ、いつの間にか雑念がなくなります。
そうすると、こころはスーッと軽くなります。
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ぼ つ ぼ つ ウ ォ ー キ ン グ
アメリカのミネソタ州で4500名以上の思春期の子どもたちを、2年間追跡調査した結果、20分間の運動を週に3回以上している子どもの方が、していない子どもよりうつ病の発症率が少ないことが分かりました。
ここでいう運動とはウォーキングだけではありません。
しかし、症状が落ちついてきたら、ウォーキングなどの軽い運動も並行して行えば、うつ病回復の早道になることが示唆されたといえます。
では、ウォーキングをすると、なぜうつ病にいいのでしょうか?
ウォーキングは他の運動と比べて、「いつでもできる」「どこでもできる」「気軽にできる」「ひとりでできる」といったメリットがたくさんあります。
うつ病の人にとって、このメリットはとても重要で、気分が乗らなくてもブラブラ歩いているうちに少し気持ちが軽くなった、そんな経験ができることが貴重なのです。
たとえばテニスなら相手とのコミュニケーションが必要ですし、道具や場所の確保もしなければなりません。
その点、ウォーキングなら自己調節がしやすく、疲れたら切り上げて帰ることもできます。
ウォーキングはコースを選んで季節の花を楽しんだり、新たなお店を見つけたりと、気分転換できるのもいいところです。
うつ病の人は周囲への関心が薄くなるので、いろいろなものに目を向ける楽しみを再発見することは重要なのです。
気をつけたいのは、今日は何キロ歩かなければならないと思い込むことです。
うつ病の人は、とにかく「ぼつぼつ軽いウォーキングをする」ことを忘れず、疲れたら無理をせず休んで、歩きたい気持ちを大切にしてください。
1 いつでもできる
2 どこでもできる
3 気軽にできる
4 ひとりでもできる
5 疲れたら切り上げて帰れる
6 コースを選んで気分転換ができる
7 いろいろなものに目を向けられる
これが、ウォーキングがうつ病に効果的な7つの理由です。
● 運動よりも休息が大切な時期
もっとも症状が重い
「極期」には、気分転換することすら、心身の負担になりがち
です。
重要なのは「運動」よりも「休息」です。
無理は禁物と心がけ、症状が安定する時期を待ちましょう。
● 適度な運動が効果的な時期
極期から回復に向かう
「回復前期」「回復後期」こそ、ウォーキングが有効な時期
です。
「無理をしない」「気が向いたら」を忘れずに。
症状が軽いごく初期なら、進行をくい止める効果も期待できます。
うつ再発防止のウォーキングは楽しみながら行うことが大切です。
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